「なんだか、仕事がうまくいかない」
「周りは普通にできてるのに、自分だけ空回りしている気がする」
「最近ずっと眠れないし、体もだるい…」
あなたは、そんなふうに感じていませんか?
僕は40歳を過ぎてから、ADHD(注意欠陥・多動性障害)とASD(自閉スペクトラム症)を併発していることが判明しました。
僕も、以前仕事でうまくいかないときに、「睡眠障害」になり、身体の調子が悪くなってしまったことがあるのですが・・・
今思えば、あれは発達障害の「二次障害」だったのかもしれないと思っています
この記事では、僕自身の経験も交えながら、「二次障害とは何か」「ならないための対策」についてお伝えしていきます。
・発達障害の「二次障害」って何?
・発達障害の人が、「二次障害」になってしまう理由
・ゆーさくの発達障害「二次障害」体験記
・二次障害にならないための対策
発達障害の「二次障害」って何?
「二次障害」とは、発達障害そのものに起因するものではなく、そこから派生して起こる精神的・身体的な問題のことを指します。
代表的なものに、
- うつ病
- 不安障害
- 睡眠障害
- 適応障害
などがあります。
発達障害の人が、自分の特性に合わない環境や過剰なストレスの中で自分を責め続けたり、頑張りすぎたりすることで、心身に大きな負担がかかり、やがて限界を迎えてしまう―
これが、二次障害の大きな特徴です。
また、心身に大きな負担がかかり、うつ病や適応障害、睡眠障害になると・・・
認知機能や身体の自律神経の調整がうまく働かなくなり、また別の問題も引き起こします(三次障害?)
- 脳の認知機能の低下
- 免疫低下による様々な疾患にかかる
- 慢性的な体調不良
- 健康診断数値の異常
発達障害の特性ゆえに、心身に負担がかかり、連鎖的に色々な問題が発生してしまうー
これが発達障害の二次障害の恐ろしいところです。
発達障害の人が、二次障害になってしまう理由
発達障害のある人が二次障害になりやすいのは、単に「頑張りすぎてしまうから」ではありません。
発達障害の特性そのものが、日常生活や仕事において大きなストレスの要因となるからです。
たとえば
・ASD(自閉スペクトラム症)の人
→音や光、会話などの刺激に過敏で、日常の中で常に神経がすり減って疲労状態に陥りやすい。
・ADHD(注意欠陥・多動性障害)の人
→注意の切り替えや時間管理が苦手で、やる気や能力があっても結果につながりにくく、自尊心が傷つきやすい。
▼結果▼
「なぜうまくいかないのか」が自分でもわからず、失敗体験ばかりが積み重なってしまい、自己肯定感が低下
「なぜこんなこともできないのか」と言われ続け、特性を理解されず、努力しても報われない感覚が強くなる。
こういった特性によるしんどさが、目に見えないかたちで蓄積し、うつや不安障害などの二次障害へとつながってしまうのです。
ゆーさくの発達障害の「二次障害」になりかけた体験記
僕自身も、「二次障害」になりかけてしまったことがあります。
その時の体験をお話ししたいと思います。
仕事上でのトラブルがストレスで、眠れなくなった
これは数年前のことになりますが・・・
当時の僕は、不慣れな仕事に従事していました。
自分がやったことがない、勝手がわからない業務を、教育や周囲のサポートが希薄な状態でやらなければいけない状況だったのです。
・連日の残業
・周囲とのコミュニケーションのズレ
・ミスの連発
・強い孤独感
・何をやるにも疑心暗鬼になってしまう
毎日が緊張と恐怖の連続で、周囲にもうまく相談できず・・・
僕は、強い孤独感を感じていました。
やがて、夜も満足に眠れず、頭もうまく働かなくなり、慢性的な頭痛や吐き気にも襲われるように・・・
食欲もなくなり、感情の浮き沈みも激しくなっていきました。
「もっと頑張らなきゃ」
「周りに迷惑かけちゃいけない」
「でも、どうやってこなしていけばいいかもわからない」
こう自分を追い込んでしまっていたんですね。
さすがに、「眠れないのが続くのはまずい」と思ったので、心療内科に通うことにし、睡眠導入剤を処方してもらいました。
その治療の過程で、自分に発達障害の特性があることが発覚したわけですが・・・。
今振り返ると、あれは完全に「二次障害の入口」だったと思います。
もし、あのまま何も行動せずにそのままでいたとしたら-
間違いなく僕は、うつや適応障害などの二次障害になっていたと思うのです。



就労支援センターで、当事者の話を聞いて、早めに対処できた
転機となったのは、就労支援センターで出会った一人の当事者の方と、お話しをさせてもらったことでした。
当時、僕は発達障害があることが発覚したけど、このことを会社や周囲の人にオープンにするべきなのか?
かなり迷っていたんです。
なので、発達障害を持つ当事者に色々と話を聞いて、相談してみたかったんです。
この当事者の方を、仮に「Kさん」としましょう
Kさんは、発達障害の特性がありながらも、それを周囲に伝えず、我慢して働き続けていたそうです。
結果、うつになってしまい、退職を余儀なくされてしまったのだとか。
限界がきてからでは、遅かったんです。
結局、うつになってしまって、まだ完全には回復していません。
今でも僕はその後遺症に苦しんでいます。
だから、「発達障害の特性」があることは、隠さずに相談したほうがいいと思います。
―Kさん
そう静かに話してくれたKさんの言葉が、僕の胸に突き刺さりまくりました。
発達障害であることは、隠すものではなく、きちんと伝えるべき。
身体や心を壊してしまってからでは、取り返しがつかないから。
発達障害があることを、周囲に相談する決断ができた
このKさんの言葉に背中を押され、僕は会社に発達障害があることを相談する決断をしました。
結果、別のチームへ異動する配慮をしてもらうことができました。
結果として、業務量が適切になり、静かな環境で集中できるようになり、睡眠の質も改善。
なにより、自分の特性に合った働き方ができるようになったことで、自己肯定感も少しずつ戻ってきました。
本音を言えば、以前のチームで自分の特性を周囲に話し、少しサポートしてもらいながらでも続けたかったのですが・・・
会社の判断が「チームを移る」ことだったので、それは致し方なしです。
いくら大事な仕事でもー
「身体や心の健康と引き換えにしてまで、続けなければいけない」道理は存在しないのです。
自分の下した決断は、決して間違いではなかったと今では思っています。


発達障害の「二次障害」になる前に、相談しましょう
発達障害のある人は、自分の困りごとに気づきにくかったり、気づいても「迷惑をかけたくない」と我慢してしまいがちです。
でも、我慢して無理をし続けた先に待っているのは、心や体の限界です。
限界を迎えた心や体は、二度と元に戻らないほどダメージを受けてしまっていて、後遺症などに苦しみ続けることになります。
僕は、就労支援センターでの出会いをきっかけに、早めに対処することができました。
もし、あのとき誰にも相談できていなかったら、今も苦しみ続けていたかもしれません。
頑張ることは素敵なこと
でも、引き際は間違えてはいけない
最も優先すべきは、自分の心と体の健康である
この言葉を決して忘れないでください。
そして、危ないと思ったら、ためらわず相談する勇気を持ってほしいです
この記事が、少しでもあなたの「気づき」や「行動のきっかけ」になれば嬉しいです。
まとめ 発達障害の「二次障害」
まとめ
・発達障害の「二次障害」とは?
→発達障害そのものに起因するものではなく、そこから派生して起こる精神的・身体的な問題のこと
(うつ病、不安障害、睡眠障害、適応障害)
・発達障害の特性によるしんどさが、目に見えないかたちで蓄積し「二次障害」へとつながってしまう
・発達障害であることは、隠すものではなくきちんと伝えるべき。
→身体や心を壊してしまってからでは、取り返しがつかないから。
発達障害の「二次障害」―
これはかなり怖いですよ。
気が付いたら「地獄に片足を突っ込んでいました」状態になっているんですから・・・。
もし、発達障害の特性に苦しんでいるのであれば・・・
それによって引き起こされる「二次障害」には、細心の注意を払っていただきたいと思います。
そして、ツライ状況なのであれば「発達障害の特性」を、周りにも相談することを考えてみてください。



頑張ることは素敵なこと
でも、引き際は間違えてはいけない
最も優先すべきは、自分の心と体の健康である
限界になる前に、相談していいんです。 場合によっては環境を変えたっていい。
あなたには、「生きやすい場所」を選ぶ自由があります。
~おわり~
▼ご意見はこちらまで▼