「発達障害」と聞くと、子どもの頃に診断されるイメージが強いかもしれません。
けれど、実際には 大人になってから初めて自分がADHDやASDだと気づくケース も少なくありません。
改めまして こんにちは ゆーさくです。
僕は、40歳を過ぎてからADHD+ASDと診断されました。
正直に言えば、「なんでもっと早い段階で気づかなかったんだろう」と思うこともあります。
しかし診断を受けたことで、自分の特性を理解し、少しずつ生きやすさを取り戻せるようになってきました。
今回の記事では、いい年齢になってから自分自身が「発達障害」であることに気づく、「大人の発達障害」について考えてみたいと思います。
- 大人の発達障害とは?
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なぜ大人になってから発達障害が発覚するのか
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発覚のきっかけやよくあるサイン
- 大人になってから発達障害の診断を受けるメリット
大人の発達障害って何?
発達障害は「子どもが診断を受けるもの」と思われがちです。
まだ小さい子が、保育園・幼稚園・小学校と成長する過程で、周りの子と違うことがだんだんとはっきりしてきて、診断をしてみたら発達障害だった・・・
こんなイメージがありませんでしたか?
でも、実際には 大人になってから発達障害であると診断される人が、昨今では増えています。
これを、世間では「大人の発達障害」と呼びます。
たとえば、ADHD(注意欠如・多動症)の特徴は以下のような日常の困りごとに表れます。
ADHD(注意欠如・多動症)の特徴
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物をよく失くす、忘れ物が多い
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マルチタスクが苦手で、仕事がたまりやすい
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締め切り間際にならないと動けない
一方、ASD(自閉スペクトラム症)はこんな形で出やすいです。
ASD(自閉症スペクトラム症)の特徴
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曖昧な指示やルールが理解しづらい
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人間関係で「ズレている」と言われがち
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環境の変化に弱く、パニックになりやすい
これらの特徴は
- 「性格の一部」
- 「不器用なだけ」
- 「仕事にまだ慣れていない」
- 「努力や工夫が足りていないだけ」
このように片づけられることも多いため、大人になるまで診断されない人が少なくないのです。
なぜ大人になってから発覚するのか?
では、なぜ「いい大人になってから」発達障害がわかるのでしょうか。
ゆーさく
理由は大きく分けて3つあります。
①子どもの頃は周囲にカバーされていた
子供の時代は、親や先生のサポート、あるいは得意科目で苦手を補える環境だったりします。
また、仮に色々な困りごとがあったとしても、「よくいる子供の特徴」として片づけられ、それで済んでしまう事もあります
- 「忘れ物が多い子」
- 「人付き合いがちょっと苦手な子」
言ってしまえば、これくらいの困りごとは、どんな子供にも大なり小なり、みられることです。
「わざわざ障害かも?」と、疑がわないのも無理もありません。
②社会人なりたてゆえの、若さと気合で乗り切れた
20代〜30代前半は若さゆえの体力があり、徹夜や無理をしてもなんとかなる時期です。
また、周囲も「まだ若いから」「不慣れだから」とフォローしてくれることが多いので、発達障害の特性が目立ちにくいのです。
でも、40代ともなればだんだんと無理が利かなくなってくる年ごろです
そして、「若さゆえの失敗」と、周りがいつまでも寛容ではいてくれなかったりするものです



③ 40代で環境や体力が変化する
40代に差し掛かると、環境や人間関係、心身のコンディションに変化が現れる時期です。
それによって、求められることや状況が大きく変わることがあります。
40代で起こる、環境や心身の変化
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転職や昇進で新しい環境に入る
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管理職として部下や責任が増えて、求められる水準が上がる
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体力や集中力の低下でカバーが効かなくなる
その結果、「今までは、なんとかやれていたこと」が急に難しくなり、うまくいかなくなる。
ここで初めて「発達障害かもしれない」と気づく人が多いのです。
僕も、40歳前に転職したのですが、会社の経営状況の影響で人手不足になり、とたんに苦しい状況に陥ってしまいました。
発達障害が発覚した当時の、ゆーさくの仕事の状況
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人手不足の職場で、不慣れな仕事を満足なレクチャーなしで任された
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同僚はあまり協力的ではなく、孤独感が強かった
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マニュアルもなく、口頭でざっくりと説明されるだけ
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仕事は常にマルチタスクで、勝手がわからない業務なので混乱が続いた
結果、徐々に体調を崩すことが多くなり、心療内科に通院することになりました。
そして、その過程で 発達障害ではないかとの疑いが出てきまして・・・
検査をしてみたら、ADHD+ASDの特性持ちであることが発覚しました。
▼詳しくは、こちらの記事まで▼


このように、40代は環境の変化や心身や体力の衰えなどが起こる年代です。
その大きな変化によって、本来持っていた発達障害の特性が色濃く出てしまい、検査をしてみたら発達障害であることが発覚した・・・というパターンが非常に多いのです。
大人の発達障害にありがちなサイン
大人になってから発達障害に気づく人の多くは、日常でこんな悩みや困りごとを感じていることがあります
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仕事の優先順位がつけられない
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急な予定変更にパニックになる
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人間関係のトラブルが続く
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忘れ物や紛失が多すぎる
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集中力が続かない
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音や光などの刺激が気になる
誰にでも多少はあること・・・と思い込んで、それが発達障害が原因と知らず、気づかないフリをしてしまうんです。
そして、この発達障害の特性は、うつや適応障害といった、2次障害という別の深刻な問題を引き起こす可能性があります。


もしこれらの症状が出ているのであれば、心療内科や精神科といった専門機関に相談してみるのもいいと思います。



大人になってから発達障害の診断を受けるメリット
「今さら診断してもらっても、何もかも遅いんじゃ・・・」と思うかもしれません。
でも、診断を受けることで得られるものは多いです。
発達障害の診断を受けるメリット
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自分の特性を理解し、無理のない働き方ができる
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会社で配慮を受けやすくなる
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支援制度(就労支援・障害者手帳など)が利用できる
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うまくいかない環境パターンを回避できるので、自己肯定感を取り戻せる
何を隠そう僕自身もそうでした。



・・・と、妙に納得して腹落ちできる部分が多くありました。
自分を受け入れ、無理なくラクに生きていくためには、自分自身に納得することが必要不可欠。
そのためにも、発達障害の疑いがあるのであれば、診断を受けてみることをお勧めします。
まとめ 大人の発達障害 40歳を過ぎて発達障害であることが発覚する理由
まとめ
・大人の発達障害とは?
→いい年になってから、発達障害であることが発覚する
・なぜ大人になってから発覚するのか?
①子供の頃は周囲にカバーされていた
②社会人なりたてゆえの、若さと気合で乗り切れた
③環境や体力が変化する
・大人の発達障害にありがちなサイン
仕事の優先順位がつけられない
忘れ物や紛失が多い
集中力が続かない
音や光などの刺激が気になる etc・・・
・発達障害の診断を受けるメリット
自分の特性を理解し、無理のない働き方ができる
会社で配慮を受けやすくなる
支援制度が利用できる
うまくいかない環境やパターンを回避できるので、自己肯定感が取り戻せる
→自分を受け入れ、無理なくラクに生きていくためには、自分自身に納得することが必要不可欠。
大人になってから発達障害が発覚するのは、珍しいことではありません。
むしろ、環境や年齢の変化、そして社会の認知度の変化によって、いい年になって気づくのは自然な流れとも言えます。
大切なのは「気づいた今から、どう工夫していくか」です。
発達障害の診断を受けることで、自分を理解し、生きやすさを取り戻すヒントが見えてきます。
僕自身もまだ試行錯誤中ですが、発達障害とともに自分らしく働き、生きていけるように工夫を重ねています。
同じように悩んでいる人にとって、少しでも参考になれば幸いです。
~おわり~
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