こんにちは、ゆーさくです。
僕は40歳を過ぎてから、自分が発達障害であると分かりました。
それ以来、どうすれば生きやすくなるのか、試行錯誤しながら工夫を続けています。
発達障害の症状を和らげる薬はあり、僕も時々使いますが・・・
危ない副作用も大きいので、使うことは非常に悩ましい。

そんなときに出会ったのが、この本です。
『発達障害にクスリはいらない 子どもの脳と体を守るレシピ40』(三和書籍)
薬ではなく食事や代謝の改善で、発達障害の症状を軽減できる可能性を示唆してくれる一冊です。
本記事では、この本から学んだ重要なポイント、発達障害のある人が日常生活で取り入れられる改善策について解説していきたいと思います。
『発達障害にクスリはいらない』 3つのポイント
それでは、この本を読んでみて特にタメになったところを、3つに絞って解説いたします。
1. 発達障害は代謝の問題?脳内伝達物質とメチレーション回路
この本では、発達障害と代謝のトラブルには、強い相関関係があると記述されています
代謝とは何か?
代謝とは、体内で物質が変化し、エネルギーを生み出したり、不要なものを排出したりする仕組みです。
その中でも「メチレーション回路」は、発達障害に深く関わる重要な代謝経路とされています。
発達障害の人は代謝トラブルを抱えている?
発達障害の子ども(そしておそらく大人も)は、このメチレーション回路がうまく機能していないケースが多いといわれています。
この回路が正常に働かないと、以下の脳内伝達物質の生成がスムーズにいかなくなります。
- セロトニン(精神の安定)
- ドーパミン(やる気・集中力)
- アドレナリン・ノルアドレナリン(ストレス対応)
発達障害は「脳の機能障害」と捉えられがちですが…
本書では「代謝の問題」として説明されており、食事や栄養を整えることで改善できる可能性があると述べられています。
代謝をサポートする栄養素
発達障害のある人は、なぜ代謝機能が上手く働かないのか?
それは「多型」と呼ばれる、遺伝子の一部が異常になるトラブルが関与しています。
この「多型」の遺伝子を多く持っていると、代謝に必要な「酵素」を上手く働かせることが出来ず、結果代謝がうまく行われないのです。
この代謝に必要な「酵素」を働かせ、メチレーション回路を正常に機能させるには、まずは栄養面の見直しが有効になってきます。
以下の栄養素を意識して摂ることが推奨されます。
- ビタミンB群(特にB6、B12、葉酸):メチレーション回路を活性化
- ミネラル(亜鉛・マグネシウム・鉄):脳内伝達物質の生成に関与
- 良質な油(オメガ3):神経の健康をサポート
- アミノ酸(タンパク質):脳内伝達物質の原料



2. 発達障害を悪化させる4大要因を避ける
発達障害の症状を改善するには、必要な栄養を摂ることも大切です。
それと同時に、上述したメチレーション回路の働きを阻害し、発達障害の症状を悪化させる要因を避けることも重要と述べられています
本書では「メチレーション回路を阻害する4大要因」として、以下のものを挙げています。
メチレーション回路を阻害する4大要因
① 炎症(特に腸の炎症)
② 有害物質
③ 栄養不足・代謝の不備
④ ストレス
① 炎症(特に腸の炎症)
腸の健康は、脳の健康とも密接に関わっています。
腸内環境が悪化し、炎症を起こすと「リーキーガット症候群」と呼ばれる状態になり、腸の粘膜がダメージを受け、有害物質をフィルターする機能が失われます。
結果、腸で有害物質がフィルターされず、血流に入り込んでしまいます。
これが脳にも炎症を引き起こし、発達障害の症状を悪化させる原因になるのです。
腸の健康を維持するためには、炎症の原因となる砂糖(精白砂糖)や加工食品、乳製品や加工食品を避け、炎症を起こさないようにすることが重要となります。
② 有害物質
私たちの身の回りには、知らず知らずのうちに体に悪影響を与える物質が多く存在しています。
良質な栄養素を取ることも大切ですが、代謝を阻害する有害物質を極力さけることも重要です
- 食品添加物(着色料・保存料)
- 白砂糖、人工甘味料
- 遺伝子組み換え食品
- 除草剤(グリフォセート)
- 電磁波
- 有害金属
- 腸カビ(抗生物質の使い過ぎや、糖質の摂りすぎで発生)
ここに挙げたものは、すべて体に悪影響を及ぼし、代謝機能不全を引き起こし、発達障害の症状も悪化する要因になります。



③ 栄養不足・代謝の不備
いくら栄養価の高い食事をとっていても、体にしっかり吸収され、必要な形で活用できなければ意味がありません。
上述しましたが、発達障害の症状に影響を与える要因に、「栄養不足」と「代謝の不備」があります。
現代の食生活では、加工食品や添加物の多い食事が増え、腸内環境が乱れやすくなっています。
その結果、消化・吸収の力が低下し、必要な栄養素を十分に取り込めなくなることがあります。
さらに、上述した炎症や有害物質(食品添加物、農薬、重金属など)の影響を受けると、腸のバリア機能が弱まり、未消化の成分が体内に侵入しやすくなり、代謝の働きにも悪影響を及ぼします。
こうした問題を防ぐためには、「消化を助け、栄養をしっかり吸収できる体づくり」が重要です。
具体的には、以下のような工夫が効果的です。
よく噛んで食べる
→消化を助け、胃腸への負担を軽減する。
消化に優しい食材を選ぶ
→発酵食品(納豆、ヨーグルト、味噌など)や、胃に優しい調理法(蒸す、煮る)を取り入れる。
腸内環境を整える
→食物繊維を多く含む野菜や、オメガ3脂肪酸(青魚、亜麻仁油など)を摂取する。
食品添加物を避ける
→加工食品やジャンクフードを減らし、できるだけ自然な食材を選ぶ。
栄養がしっかり吸収され、代謝がスムーズに行われるようになれば、心身のコンディションが整い、発達障害の症状の軽減につながります。
④ ストレス
現代社会では、仕事や人間関係、環境の変化など、日常的にストレスを感じる場面が多くあると思います。
慢性的なストレスは、自律神経のバランスを崩し、血流や消化機能を低下させます。
その結果、炎症が起こりやすくなり、体調不良や不眠といった問題が発生します。
ストレスを和らげる3つの習慣
① 適度な運動を取り入れる
ウォーキングやストレッチ、軽い筋トレなど
→血流を改善し、自律神経のバランスを整える
② 瞑想や深呼吸でリラックスする
1日数分の瞑想や、ゆっくりとした深呼吸を意識する
→副交感神経が優位になり、緊張がほぐれます。
③ 質の良い睡眠を心がける
寝る前にスマホやパソコンの使用を控える、ぬるめのお風呂に入る
→副交感神経が活性化し、深い眠りを促します
ストレスが長引くと心身にさまざまな不調を招き、発達障害の症状悪化につながってしまいます。
「誰にでもあること」と軽視したりせず、溜らないように意識的に発散させていきましょう。



3. 薬に頼る前に食事を見直そう
本書では、発達障害向けの薬を使うことに対して、懐疑的な意見が述べられています。
ADHD・ASD向けの薬は「治す」ものではない
本書では、発達障害向けの薬(コンサータなど)は「治療薬」ではなく「あくまでも症状を抑えるための薬」だと説明されています。
さらに、以下のリスクも指摘されています。
- 依存性・耐性がつく可能性
- 動悸・食欲不振などの副作用
- 長期的に見て脳機能や消化器官に悪影響を与えるリスク
なので、発達障害向けの薬を使うのは最小限&一時的な対策と位置づけ、まずは食生活の見直しを試みてほしいと強く訴えられています





天然だしでミネラルを補給する。
ミネラルは脳の働きや代謝にとって重要な栄養素ですが、普段の食事では不足しがちな栄養素です
最近、栄養バランスのいいヘルシーなお弁当屋や、お惣菜なんかが注目されていますが…
あくまでもCPFバランス(糖質・タンパク質・脂質)やカロリーにだけ注意を払ったものも多く、ミネラルが不足しているケースが多いのだとか。
本書では、このミネラルを補給するために天然だしの活用が推奨されています
- 昆布・煮干し・アゴだし を水につけておき、日々の料理に使う
- ミルでダシを粉末化し、ふりかけやスープに混ぜる
天然だしは、加工食品や食品添加物を避けつつ、必要なミネラルを摂取する手軽な方法として、本書でも特に強調されています。



ミネラルは意識的に採らないと不足気味になり、代謝自体上手くはたらかなくなってしまうので、意識的にに取り入れていきましょう。
上述した内容を意識し、食生活の見直しをした結果、発達障害の症状が緩和したお子さんの例が、この本ではいくつも紹介されています。
もちろん、大人の発達障害にも有効な手段になり得ると思います。
発達障害の薬に頼る、その前に・・・
食生活の見直しで改善できることが、まだまだたくさんあるんです。
是非、この本を参考に食生活の改善に取り組んでみてください。
まとめ 『発達障害にクスリはいらない』
まとめ
『発達障害にクスリはいらない 子どもの脳と体を守るレシピ40』
発達障害の症状を「脳の病気」ではなく「代謝のトラブル」として捉え、食事や栄養で改善できる可能性を示してくれる一冊
【ポイント】
- 発達障害は代謝トラブルの一種であり、食事や栄養で改善できる可能性がある
- 発達障害を悪化させる4大要因(炎症・有害物質・栄養不足・ストレス)を避けることが大切
- 薬に頼る前に、まずは食事を見直すべし 特に天然だしを活用したミネラル補給がおススメ
僕は「発達障害の症状を改善したい」と常に思っています。
そのためには、「薬を使い続けないといけないのかな」と思っていましたが…
この本を読んで、ものすごい衝撃を受けました
食事を見直すだけで、完全に発達障害の困りごとをなくせるわけではないけれど・・・
副作用などの身体へのリスクを極めて少なくし、発達障害の症状を緩和させることは出来るんじゃないかと感じました。
薬に頼らずとも発達障害の困りごとが出ないように、食生活の見直しをしていこうと思います。
~おわり~
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