「ADHDやASDを抱えていると、事務作業が本当にしんどい」
そう感じている方は多いのではないでしょうか。
あらためまして こんにちは ゆーさくです。
僕自身、40歳を過ぎてからADHD+ASDと診断されました。
会社で上司に伝えたところ、配慮を受けてチーム異動となりましたが・・・
次のチームでの新しい仕事はまさかの「事務仕事」中心・・・
正直、不得意&好きでもない仕事です。
でも、せっかく配慮してもらった以上、「苦手だからできないんですぅ」とは言えませんでした。
「苦手な仕事に向き合わないといけなくなる」と分かった時、僕はどうしたらいいのか、途方に暮れてしまったんです。
そんなときに出会ったのが、小鳥遊さん著 『ADHDの僕が苦手とされる事務にとことん向き合ってみた』です。
まさに今の自分にピッタリな内容で、この本から僕は数々のヒントをもらいました。
この記事では、その本から特に参考になった3つのポイントを紹介しながら、「ADHDでも事務仕事をどう乗り切れるか?」について解説します。
・なぜ発達障害をもつ人にとって、事務は苦手な作業なのか?
・この本で学んだこと3つ
1.「3つのギモン」で、事務は動く
2.芋づる式に生まれる、「2つの障害」とその突破法
3.報酬がないなら、自分で作る
なぜ発達障害をもつ人にとって、事務は苦手な作業なのか
ADHDやASDの特性を持つ人にとって、事務作業は次のような点でつまずきやすい仕事です。
発達障害の特性をもつ人にとって、事務作業は鬼門である
- 注意が散漫になりやすい
→数字や文字が並んでいるだけで頭が真っ白になる
- 先延ばししてしまう
→退屈に感じ、後回しにした結果、締め切り直前で慌てる
- ケアレスミスが多い
→見直しをしても、誤字や数字の間違いを見落とす
- 単純作業に耐えられない
→刺激が少なく、集中が続かない
こうした特性から「事務は苦手」と感じる人が多いのです。
ゆーさく
僕自身も、異動先のチームで事務仕事が多い業務を担当することになり、最初は途方に暮れました。
あまり得意ではないエクセル処理や細かいデータ管理、書類整理に追われ・・・
何度もミスをして、自己嫌悪に陥ったこともあります。
・・・とはいえ、発達障害があるからといって「事務はできません」と突っぱねるわけにもいきません。



苦手な中で、どう工夫していくかが大切になります。
そこで役立ったのが、今回紹介したいこの書籍のエッセンスでした。
『ADHDの僕が苦手とされる事務にとことん向き合ってみた』 読んでみた感想
率直に言って、この本は「発達障害(特にADHD)で事務に悩む人」にドンピシャの一冊でした。
単に「がんばれ」や「工夫しろ」という精神論ではなく、
-
なぜADHDにとって事務が難しいのか?
-
どうすれば苦手でも最低限はこなせるのか?
具体的に解説してくれていて、読んでいて「なるほど!」と腹落ちして納得できる内容が多かったです。
僕自身、「苦手だから無理かも・・・」と思っていた事務仕事に対して、「こうすればできるかもしれない」と前向きに取り組むきっかけになりました。
『ADHDの僕が苦手とされる事務にとことん向き合ってみた』学んだこと3つ
ここからは、僕が特に参考になったポイントを3つに絞って紹介します。
1. 「3つのギモン」で事務は動く
事務作業は「どこから手をつければいいかわからない」と動けなくなるのが、発達障害をもつ人の典型的なつまずきです。
小鳥遊さんは、それを 3つのギモンで整理する方法を提案しています。
事務をこなすために、「3つのギモン」で整理する
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ギモン①:どうやる?
→ 大きな仕事を小さな手順に分解する
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ギモン②:いつやる?
→ 分解した手順ごとに日付を入れる
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ギモン③:だれがやる?
→ それぞれの作業の担当者をはっきりさせる
この3つを考えるだけで、頭の中のモヤモヤが整理されて「今やるべきこと」が見えてきます。
2. 芋づる式に生まれる「2つの障害」とその突破法
発達障害の人が事務でつまずく原因には、矛盾する2つの傾向を持っているからだそうです。
発達障害の人が持つ、2つの傾向
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不確実性への耐性が低い → ゴールまでの手順が見えないと動けない
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報酬系の障害 → 手順がずらっと並ぶとプレッシャーでやる気がなくなる
この相反する特性を突破する方法が「視点の切り替え」です。
視点を切り替える
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鳥の視点:全体を俯瞰して手順を見渡す
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虫の視点:いま取り組む一点に集中する
この二つを意識的に行き来することで、不安とプレッシャーの両方を和らげ、動ける状態を作り出せるのです。
3. 報酬がないなら、自分で作る
ADHDの人は「報酬がすぐに得られないと動けない」傾向があります。
これは、「報酬系」の神経ネットワークに障害があることが原因とされています。
報酬を魅力的と感じる効果の持続力がなく、遅い報酬を待つことができないため、報酬が頻繁になければ、行動を起こすモチベーションがダウンしてしまうのです。
でも、事務作業は往々にして「終わるまで報酬がない」地味で根気のいる仕事です。
そこで重要なのが「小さな報酬を自分で作る」ことです。
普通の仕事術は「抱えている」か「終わった」の二択ですが・・・
実は「抱えているけど自分の手から離れている」という第三の状態があります。
それは「依頼した仕事が相手の返事待ち」の状態。
この「肩の荷が下りている」と感じること自体を『報酬』にカウントすると、達成感を感じて快感を得ることができます。
こうした仕組みを工夫して作ることで、事務作業のモチベーションを維持しやすくなるのです。
まとめ 『ADHDの僕が苦手とされる事務にとことん向き合ってみた』
ADHDやASDを抱えていると、事務作業はどうしても苦手に感じがちです。
でも、小鳥遊さんの本から学んだ以下の3つを意識することで、苦手でも「なんとかなる」レベルに持っていけることを知りました。
- 「どうやる?」「いつやる?」「だれがやる?」でタスクを整理する
- 「鳥の視点」と「虫の視点」を行き来する
- 報酬を自分で作り、モチベーションを維持する
僕自身も、この本を読んだことで事務への苦手意識が少し和らぎ、「これなら、やれるかもしれない・・・」という気持ちを持てました。
もしあなたも同じように悩んでいるなら、この本を手にとってみてください。
必ずヒントが見つかるはずです。
また、過去小鳥遊さんが書いた書籍を紹介した記事を書いています。
こちらも参考にしてみてくださいね。


~おわり~
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