こんにちは ゆーさくです
僕は40代になってから発達障害 ADHDとASDの特性があることを知りました。
子どものころから「なんとなくうまくいかない」「頑張っても上手くできない、苦手な事多いな」と感じていましたが…
それが発達障害によるものだとわかったのは、ここ数年の事です
そのため、僕の心の奥底には幼少期からの劣等感や自己否定感がこびりついていて、かなり歪んだモノの考え方や捉え方をしてしまっていました。
そんな考え方を変えるために、認知の歪みを正す「認知行動療法」を取り入れてみることにしました
今回の記事は、この認知の歪みを正す「認知行動療法」について解説したいと思います。
認知行動療法とは?
認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy: CBT)とは、考え方(認知)と行動を変えることで、メンタルの不調を改善する心理療法です。
認知行動療法は、1960年代にアメリカの精神科医アーロン・ベック(Aaron T. Beck)によって確立されました。
ベックは当時の精神分析とは異なるアプローチを研究し、「人の思考パターンが感情や行動に大きな影響を与えている」ことに着目しました。
その後、アルバート・エリス(Albert Ellis)の論理療法(REBT)とも影響を受けながら、CBTは体系化され、現在では不安障害、うつ病、パニック障害、PTSDなど幅広いメンタルヘルスの治療に用いられています。
人は、下記の流れで物事を解釈し、行動しています。
A:出来事(事実)
B:それに対する考え方(認知)
C:その結果生じる感情・行動
例えば、仕事でミスをしてしまったとしましょう
A:「ミスをしてしまった」(事実)
B:「またやっちまった~ 自分は無能だ」(認知)
C:「落ち込む」「自己否定する」「仕事への意欲が低下する」(感情・行動)
このように、ネガティブな考え方(認知)が、感情や行動に影響を与えてしまうのです
認知行動療法は、この歪んだネガティブな考え方(認知)を正し、感情や行動を変えていくための心理療法なのです
認知行動療法で学んだこと
それでは、僕が認知行動療法で学んだことを紹介します。
実際にはもっと複雑で、色々なワークがあるのですが…この記事では抜粋してお伝えします
①:認知の歪み 10のパターン
認知行動療法では、「認知の歪み」と呼ばれる思考のクセを自覚し、それを修正することが大切だとされています。
主な認知の歪みのパターンは、以下の10種類があります
認知の歪み 10パターン
①全か無か思考(白黒思考)
→「完璧にできなければ、すべて失敗だ」と極端に考える。
②一般化のしすぎ
→ 「この前も失敗したから、今後もずっとダメに違いない」と決めつける。
③心のフィルター(選択的抽出)
→ひとつの悪い出来事にとらわれて、全体の良い部分を見逃す。
④マイナス化思考
→自分の成功を過小評価し、「たまたまうまくいっただけ」と考える。
⑤結論の飛躍(先読みの誤り)
→あの人は自分のことを嫌っているに違いない」と証拠もなく思い込む。
⑥拡大解釈と過小評価
→失敗を大げさに考え、自分の成功は些細なものとみなす。
⑦感情的決めつけ
→「今、不安だから、これは絶対うまくいかないはず」と感情だけで判断する。
⑧すべき思考(過度の義務感)
→「○○するべき」「○○しなければならない」と自分を追い込む。
⑨レッテル貼り
→「自分はダメな人間だ」「無能だ」と、ネガティブなレッテルを貼る。
⑩個人化
→自分のせいで他人が機嫌が悪いと考え、必要以上に責任を感じる。
こうした認知の歪みには10パターンあり、それぞれに名前が付けられていること
これを知るだけで、僕はネガティブな考えが浮かんできたときに、一歩立ち止まって冷静に考えられるようになりました
「あれ、もしかして、これは偏った考え方かもしれないぞ」
「僕、今 認知の歪みパターン、No.〇〇に陥っていない?
歪んでいる、歪んでいるぞォォ! 直ちに改めなくては!」
…と気づけるようになりました。
こうやって、メタ認知(自分自身の考え方や感じ方を客観的に捉え、理解する能力のこと)できるようになるのって、すごく大切なんです。
②:自動思考に反論する
「どうせ自分なんて…」
「また失敗するに決まってる…」
こんなネガティブな考えが、頭をよぎることはありませんか?
これは “自動思考” と呼ばれるもので、特に発達障害のある人やストレスを抱えやすい人にとって、よくやってしまうことの一つです。
ストレスが蓄積がされれば、生活の質を下げ、最悪病気になってしまう原因になることだってあります。
認知行動療法では、この “自動思考” に反論することで、現実的で前向きな考え方に変える方法があります。
自動思考とは?
自動思考とは、状況に反応して瞬間的に浮かぶ考えのことです。
例えば・・・
- 仕事でミスをした → 「自分は無能だ…」
- 友人から返信がこない → 「嫌われたんじゃないだろうか…」
- 新しいことに挑戦する → 「どうせうまくいかない…」
このような考えが頭の中で繰り返されれば、自信を失ったり、ストレスを感じてしまい、いずれは病んでしまうのは当然のことです。
これを改善するためには、 「自動思考に反論していく」クセ付けが大切です。
自動思考に反論する5つのステップ
自動思考に反論するためには、いくつかのステップを踏む必要があります。
① 自動思考を書き出す
まずは、自分のネガティブな思考を紙やメモアプリに書き出します。
頭の中でなく、思考を必ず頭の外に出すのがポイント。
そして、思いつくままそのまま正直に書き出すことが大事です
例:「また仕事でミスした…自分は無能だ」
② その思考が事実かどうかを確認する
次に、「本当にそうなのか?」を問いかけてみます。
・証拠はあるか?
→ 「たしかにミスはしたけど、普段はちゃんと仕事ができている」
・別の見方はあるか?
→ 「ミスをしたのは事実だけど、それで ‘無能’ とは限らない」
単に自分が悪く思っているだけで、冷静に考えると事実は違っていたりするものです。
「ホントにそうなのかな? うそくせ~ なんかうそくせ~ぞ」と自分に問いかけ、事実かどうかを客観的に見つめてみましょう。
③ 反証となる事実を探す
反論できる証拠を探してみましょう。
反論の証拠
「先週は上司に仕事を褒められた」
「同僚もたまにミスをするが、無能とは思われていない」
よくよく思い返してみると、100%の確率ですべての業務でミスをしているわけではないハズ
そして、同僚だって絶対にミスはしています。
自分の思考に対し、その反証になる事実があると、自分の思考が必ずしも正しいわけではないと考えることが出来るはずです。
④ 現実的でバランスの取れた考えに置き換える
見方を変えることで、より現実的な思考に修正できます。
修正後の思考例:
「確かにミスをしたけど・・・それだけで ‘無能’ とは絶対に言えないハズ。
次回は同じミスを防ぐ方法を考えよう。」
見方を変えることで、「自分は無能だ…」なんていうネガティブな感情にいつまでも囚われるのではなく、次にどうしたら良いのか?
現実的で生産的な思考に置き換え、切り替えることが出来ます。
⑤ 何度も練習する
この反論思考は、やったからといってすぐに絶大な効果が得られるわけではありません。
長年の経験や、持って生まれた性格からくる思考の癖は、一朝一夕で改められるものではないからです。
なので、ネガティブな考えが浮かんだ→すぐに反論思考をするという、ルーティンを何度も繰り返すことが必要です。
たった数分でもOKです。浮かんできたネガティブな考えに、反論してみるクセをつけてみましょう。
何度も練習すると、ネガティブ思考が減り、前向きに考えられるようになります。
上記2点は、認知行動療法のごく基本的なテクニックですが、個人的にかなり効果があると思っています。
自分ができそうなものから、少しずつ取り入れてみてくださいね。
認知行動療法を学ぶのに役に立つ、書籍の紹介
認知行動療法を学ぶ上で、実際に役に立った本をいくつか紹介します。
今日から使える認知行動療法 ナツメ社
マンガのイラストが多めで、誰でも認知行動療法の概要をわかりやすく学ぶことが出来ます。
別冊の書き込み式ワークブック付きで、認知行動療法を身に付けるのに有効なワークが実施しやすくなっています
いやな気分よ、さようなら コンパクト版 星和書店

認知療法に基づいて、ものの見方と考え方における歪みの修正の仕方を解説してくれる本です。
携帯しやすいように、コンパクト版になっています
自分に必要なヒントや有効なアドバイスだと思える一節が、きっと見つかると思います。
まとめ 認知行動療法を学ぶと、生きづらさを緩和できる
まとめ
認知行動療法はネガティブな考え方(認知)を正し、感情や行動を変えていくための心理療法
【すぐに試せる認知行動療法】
- 認知の歪み 10のパターンを知る
- 自動思考に反論するクセを付ける
僕は発達障害があることが分かってから、歪みまくった「認知・考え方」自体を変えないと、いつまでも苦しいままだと思ったんです。
この認知・考え方を変えるのに、この認知行動療法はとても効果的だったと実感しています
「生きるのがしんどい」
「いつもネガティブな感情に苛まれる」
こういう人は、考え方や認知が歪みまくっているんだと思うので、繰り返しトレーニングをして、変えてみませんか?
きっと、生きるのがもっと楽になるはずですよ。
~おわり~
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